マイナ免許証では、オーストラリアの免許に切り替えできません

先日、ゴルタビの運転免許翻訳サービスに、ワーホリで渡豪したばかりの方から依頼が届きました。いつもどおり日本の運転免許証の写真をお願いすると、送られてきたのはマイナンバーカードの写真。免許の情報は、どこにも写っていません。

それもそのはず。マイナ免許証は、カードの券面に免許情報が一切表示されないのです。結論からお伝えします。マイナ免許証だけでは、NAATI翻訳書が作成できません。

翻訳書は、オーストラリアで運転するためにも、現地免許に切り替えるためにも使う書類。つまり、運転と切り替えの両方に支障が出ます。この記事では、その理由と渡航前にやるべきことを、翻訳サービスを運営する立場から短くまとめました。

この記事でわかること

・マイナ免許証だとオーストラリアでの運転・免許切り替えに支障が出る理由
・免許の持ち方の正解
・すでにマイナ免許証のみにしてしまった場合の対処法
・出発前に確認すべきチェックリスト

マイナ免許証とオーストラリアでの運転・免許切り替えの注意点
目次

マイナ免許証ではNAATI翻訳書が作成できない

まず前提から。NAATI翻訳書は、オーストラリア公認の資格を持つ翻訳者が作成する、日本の運転免許証の英訳です。この翻訳書には2つの使い道があります。

翻訳書の2つの使い道
  • 運転する:日本の運転免許証と翻訳書を携行すれば、オーストラリアで車を運転できます
  • 切り替える:日本の免許をオーストラリアの現地免許に切り替える際の必要書類になります

どちらのルートも、出発点は日本の運転免許証(物理カード)です。翻訳書は免許証の券面をもとに作成するからです。

ところが2025年3月24日から、日本ではマイナンバーカードと運転免許証を一体化した「マイナ免許証」の運用が始まりました。免許情報はカードのICチップに記録される仕組みで、券面は見た目そのまま、ただのマイナンバーカードです。

ICチップの読み取りに対応しているのは日本国内の仕組みだけ。オーストラリアの警察もレンタカー会社も交通局も、そして翻訳者も、カードから免許情報を確認できません。

コア助

警察庁の「マイナ免許証読み取りアプリ」は日本国内向けです。オーストラリア側は読み取る手段を持っていません!

実際、警察庁・外務省・在外公館は「マイナ免許証は券面に免許情報が表示されないため、海外では無免許とみなされる可能性がある」と公式に注意喚起しています。

在外公館はさらに、現地免許への切り替えについて「マイナ免許証は、切替元となる日本の有効な運転免許証とみなされない可能性がある」と明言しています。運用開始時には、平デジタル大臣自身が「海外で運転する場合は従来の免許証との2枚持ちを検討して」と呼びかけたほどです。

そして翻訳の実務では、マイナンバーカードからは免許情報が読めないため、翻訳書は作成できません。免許情報はマイナポータル等でオンライン確認できますが、現時点でそれを免許の有効性の証明として扱うことはできません。翻訳書が作れなければ、翻訳書での運転も、現地免許への切り替えも、その入り口に立てないということです。

国際免許証があれば運転はできる?
国際免許証(国外運転免許証)で運転するルートもあります。ただし国際免許証は原則、日本の運転免許証との同時携帯での使用とされています。つまりマイナ免許証のみの場合、国際免許証を持っていても従来の運転免許証がない状態となり、ここでも支障が出るおそれがあります。

在外公館の証明書もマイナ免許証では申請不可
海外の日本大使館・総領事館が発給する「運転免許証抜粋証明」も、従来の運転免許証が必要です。マイナ免許証では申請できません(2026年8月時点)。つまり渡豪後に公的な証明でカバーする道もありません。

マイナ免許証と運転免許証の券面の違い

免許の持ち方は3択。「運転免許証あり」を必ず選ぶ

マイナ免許証の開始にともない、免許の持ち方は次の3つから選べるようになりました。オーストラリアに行く人にとっての結論は、表のとおりです。

スクロールできます
持ち方日本国内オーストラリア
マイナ免許証のみ運転可NAATI翻訳が作れず、運転・免許切り替えとも支障(国際免許ルートも同時携帯原則で支障のおそれ)
マイナ免許証+運転免許証(2枚持ち)運転可問題なし(おすすめ)
運転免許証のみ運転可問題なし
コア助

迷ったら2枚持ちでOK!国内ではマイナ免許証の便利さを使いつつ、海外対応も確保できます。

すでにマイナ免許証のみにしてしまった方も、渡航前なら間に合います。日本の運転免許センター等で保有状況の変更を申請すれば、従来の運転免許証を交付してもらえます。手数料は2,550円程度です(都道府県により異なる場合があるため要確認)。

更新のタイミングは特に注意
免許更新の窓口で「マイナ免許証に一本化しますか?」と聞かれても、オーストラリア渡航の予定が少しでもあるなら、必ず運転免許証も残してください。ここでの選択が渡航後のすべてを決めます。

実際にあった「もう、どうにもできない」ケース

冒頭のワーホリの方の話に戻ります。お話を聞くと、日本での免許更新のタイミングで、マイナ免許証だけに一本化してきたとのことでした。

運転免許証の写真さえあれば、翻訳書は作成できます。しかし、その運転免許証自体が存在しない。こうなると、こちらでできることは何もありません。

運転免許証の交付手続きは日本の免許センター等で行う必要があるため、一時帰国でもしない限り、渡豪後に取れる手段は事実上ないのです。結局その方は、予定していた現地免許への切り替えをあきらめざるを得ませんでした。切り替えだけではありません。翻訳書があれば日本の免許証と携行してすぐ運転できたはずの生活も、同時に手放すことになりました。

正直に言えば、マイナ免許証そのものは悪い制度ではありません。国内で使う分には更新手続きが楽になるなどのメリットもあります。ただ、この一体化は今のところ日本国内で完結した仕組みであって、オーストラリアには対応していません。今後、政府の運用や各州の対応が変わる可能性はありますが、少なくともすぐに対応が進むとは考えにくいのが現状です。

NAATI翻訳に必要な日本の運転免許証

まとめ:渡航前チェックリスト

オーストラリアへワーホリ・留学・駐在・旅行で渡航する方は、出発前に次の3点を確認してください。

  • 日本の運転免許証(物理カード)を持っているか(マイナ免許証のみの方は保有状況変更を)
  • 免許の有効期限が滞在期間をカバーしているか
  • 現地で運転するためのNAATI翻訳書(または国際免許証)の準備
コア助

渡航準備リストに「運転免許証(物理カード)」の一行を追加してくださいね!

運転免許証を持って渡豪すれば、NAATI翻訳書はオーストラリア到着後でも、免許証の写真だけで作成できます。翻訳書と日本の免許証を携行すればそのまま運転できますし、現地免許への切り替えにもそのまま使えます。ゴルタビでもNAATI認定翻訳者による運転免許翻訳サービスを行っていますので、お気軽にご相談ください。

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