オーストラリアのタックスリターン・スーパー返金のやり方|帰国後に自分で受け取る方法とワーホリの税率

帰国後にオーストラリアのスーパーアニュエーションとタックスリターンを受け取る方法と準備のタイトル画像

オーストラリアでワーホリや留学、就労などを経験した方の多くは、帰国後にタックスリターン(税金の払い戻し)やスーパーアニュエーション(年金積立金)の返金を申請することになります。

どちらも数万円〜十数万円が戻ってくることがある、大事なお金です。しかし実際には、

  • 銀行口座を解約していたせいで、振込ができなかった
  • 日本の電話番号ではSMS認証が通らず、オンラインバンキングにログインできなかった
  • スーパーの返金が思っていたよりずっと少なかった

といった声もよく聞きます。この記事では、そんな後悔をしないために、制度の仕組みと税率、自分で申請するやり方、そして帰国後でも確実に受け取るための口座の準備を解説します。これから帰国予定の方も、すでに帰国している方も参考にしてください。

目次

そもそも、何が受け取れるの?2つの払い戻し制度を整理

タックスリターンとスーパーアニュエーションの2つの払い戻し制度

オーストラリアで働いた人には、帰国後に受け取れるお金が2種類あります。タックスリターン(Tax Return)とスーパーアニュエーション(Superannuation)です。まずはこの2つの違いを一覧で確認しましょう。

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タックスリターンスーパー(DASP)
中身払いすぎた所得税の返金雇用主が積み立てた年金の払い戻し
申請時期毎年7月1日〜10月31日出国してビザが失効したあと
申請先ATO(myGov経由のmyTax)または税理士ATOのDASPオンライン申請
受取口座オーストラリアの口座が必要オーストラリアの口座または海外口座
ワーホリの注意点税率が低いため、戻らないことも65%が税金で引かれる

タックスリターン(Tax Return)とは?

タックスリターンとは、オーストラリアで働いた人が1年間の所得を申告して、払いすぎた税金を返してもらう制度です。給料からは源泉徴収で税金が引かれているので、実際の納税額との差額が年に1回精算されます。オーストラリアの税年度は7月1日〜翌年6月30日です。

注意したいのが、ワーホリビザ(417・462)の税率。ワーホリは非課税枠がなく、年収$45,000までは一律15%です。雇用主が正しく15%で源泉徴収していれば、精算してもほとんど戻らないこともあります。逆に、雇用主がワーホリ用の登録をしておらず多めに引かれていた場合は、その分が戻ってきます。

ただし、例外があります。オーストラリアの税法上の「居住者」にあたる人(1か所に長く住んで働いているなど)は、2021年の最高裁判決(Addy判決)により、オーストラリア人と同じ税率($18,200まで非課税)で申告できる可能性があります。雇用主は15%で源泉徴収を続けるため、差額はタックスリターンで取り戻す形です。居住者にあたるかの判定は条件が細かいので、該当しそうな人は登録税理士に確認してください。

  • 対象:TFN(Tax File Number)を取得して働いた人。ワーホリ、学生、就労ビザすべて対象
  • 申請のタイミング:毎年7月1日〜10月31日。税理士に依頼する場合は期限が延びることもあります
  • 年度途中で帰国する場合:オーストラリアを完全に離れるときは、ATOに申請すれば年度末を待たずに申告できる場合があります

スーパーアニュエーション(Superannuation)とは?

スーパーアニュエーション(略して「Super」)とは、雇用主が支払う強制年金制度です。雇用主は給料とは別に、給料の12%(2025年7月から)を年金口座に積み立てることが義務づけられています。

本来は老後に引き出すお金ですが、ワーホリや学生ビザなど一時滞在ビザで働いていた人は、出国してビザが失効したあとに申請すれば払い戻してもらえます。これをDASP(Departing Australia Superannuation Payment)といいます。オーストラリア国内にいる間は申請できません。

ワーホリはスーパーの65%が税金で引かれる

意外と知られていないのが、DASPにかかる税金です。ATOの規定で、ワーホリビザ(417・462)で働いた人のスーパーは、65%が税金として差し引かれます。学生ビザなどそのほかの一時滞在ビザは35%です。一度でもワーホリビザを持っていた場合は、ほかのビザで働いた期間分も含めて65%が適用されます。

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年収$30,000で働いた場合の例ワーホリビザ学生ビザなど
積み立てられたスーパー(12%)$3,600$3,600
DASPの税金65%($2,340)35%($1,260)
手元に戻る額約$1,260(約14.5万円)約$2,340(約26.9万円)
実際の金額は運用益やファンドの手数料で変わります(1豪ドル=約115円で換算)。

「思っていたより少ない!」と驚かないように、ワーホリの人は積立額の3分の1程度が戻ると考えておきましょう。それでも数万円〜十数万円になるので、申請しない手はありません。

帰国後に起こりがちなトラブルと落とし穴

帰国後に起こりがちなトラブル

「タックスリターンってあとで申請すればいいんでしょ?」と、特に準備をせずに帰国してしまうと、次のようなことで困るかもしれません。

その1:銀行口座を解約してしまっていた

タックスリターンの還付金は、オーストラリアの銀行口座への振込が基本です。「もう使わないから」と帰国前に口座を解約してしまうと、小切手での受け取りになり、日本で換金するのに手間も手数料もかかります。

スーパー(DASP)は海外の口座にも送金できますが、海外送金の手数料や為替レートが不利になることも。豪ドルで受け取れる口座があると、どちらもスムーズです。

その2:日本に帰ってから、ネットバンキングにログインできない!

帰国後にオーストラリアの銀行にアクセスしようとしたら…「SMS認証が届かない!ログインできない!」というケースもよくあります。

原因は、登録していたオーストラリアの電話番号がすでに解約済みになっていること。銀行によってはログイン時に2段階認証を求められるので、残高確認も、受け取ったお金を日本へ送ることもできなくなります。帰国前に、銀行の登録電話番号を日本の番号に変えておくか、認証アプリに切り替えておきましょう。

その3:スーパーを放置していたらATOに移されていた

出国してビザが失効してから6か月以上たつと、スーパーはファンドからATOに移されます。移されたあともATOに請求すれば受け取れますが、手続きが少し面倒になり、その間の運用益もつきません。ビザが切れたら早めに申請するのがおすすめです。

じゃあどうすればいいの?

こうしたトラブルを避けるためには、

  • オーストラリアの銀行口座を残しておく(電話番号の変更も忘れずに)
  • Wiseのようなオーストラリアドル口座を帰国前に用意しておく

このどちらかが大切です。特にWiseなら、銀行口座より手軽に開設できて、日本への送金も簡単なので頼れる選択肢です。

タックスリターンのやり方(自分で申告する場合)

タックスリターンは、myGovという政府のポータルサイトから、ATOのオンライン申告システム「myTax」で自分で申告できます。帰国後でも日本から手続きできます。

  • myGovのアカウントを作り、ATOと連携する
    連携にはTFNと、給与明細などの本人確認情報が必要。オーストラリアにいるうちに済ませておくのが安心です
  • 7月以降、所得情報が「Tax ready」になるのを待つ
    雇用主が報告した給与や源泉徴収の情報が、myGov上で確定するまで待ちます
  • myTaxで申告する
    所得は自動で入力されているので、内容を確認し、居住者かどうかなどの質問に答えます
  • 還付先にオーストラリアの口座(またはWiseのAUD口座)を入力
    申告が通れば、指定した口座に還付金が振り込まれます

英語での手続きが不安な人や、複数の職場で働いていた人は、手数料を払って税理士(Tax Agent)に依頼するのも一つの方法です。

スーパー返金(DASP)のやり方

スーパーの返金は、ATOの「DASPオンライン申請システム」から申請します。

申請できる条件

  • 一時滞在ビザ(ワーホリ・学生・一部の就労ビザなど)で働いていた
  • オーストラリアを出国している
  • ビザが失効(期限切れ・取り消し)している

用意するもの

  • パスポート
  • TFN(なくても申請できますが、あると早い)
  • スーパーファンドの名前と会員番号(複数ある場合はすべて)
  • 受取口座の情報

ファンドが分からない場合は、myGovと連携したATOのページで、自分のスーパー口座を一覧で確認できます。複数の職場で働いていた人はファンドが分かれていることが多いので、出国前に1つにまとめておくと手続きが楽です。

編集部の体験:税理士に依頼して受け取りました

私は6年ほど前に一度オーストラリアから帰国した際、スーパーの返金も受け取りました。そのときは手続きを税理士さんにお願いし、残しておいたオーストラリアの銀行口座で受け取りました。まさかまたオーストラリアに住むことになるとは思っていませんでしたが、口座を解約せずに残しておいたことで、帰国後の手続きはスムーズでした。

Wiseを使えば、帰国後でも受け取りがスムーズ

Wiseを使った帰国後の受け取り

銀行口座を残しておくのも1つの手ですが、口座維持手数料やログインの問題が気になるなら、Wise(ワイズ)という海外送金サービスを使う方法がおすすめです。

Wiseってなに?

Wiseは、世界中で使われている低コストの海外送金サービスです。オーストラリアドルや日本円を含む多くの通貨に対応していて、リアルタイムの為替レートで両替や送金ができます。

「送金アプリでしょ?」と思われがちですが、Wiseでは自分名義のオーストラリアドル口座の情報(BSB・口座番号)を発行できます。

  • BSBと口座番号を取得できる
    → タックスリターンやスーパーの受け取り先として使えます
  • 日本円への送金もアプリ内で完結
    → Wiseに入ったお金を、日本の口座へ数回のタップで送金できます
  • 為替レートが良く、手数料も安い
    → 銀行の海外送金よりお得になることが多いです

実際にWiseで受け取れました!

私自身、コロナ前に一度オーストラリアから日本へ帰国しています。その際、タックスリターンの返金先にWiseのオーストラリア口座を指定しました。すると数日後、無事にオーストラリアドルでWise口座に着金!

そこから日本円に両替して日本の銀行口座に送金したところ、手続きはほんの数分で完了。翌日には着金されていました。Wiseを使っておいたおかげでスムーズに、かつレートも良い形でお金を受け取れたので本当に助かりました。

【ステップ解説】Wise口座での受け取り準備と手順

ここからは、Wiseを使ってタックスリターンやスーパーを受け取るための手順を紹介します。スマホさえあれば手続きできます。

① Wiseに登録する

  • Wise公式サイトから会員登録
  • パスワードを設定してアプリでログイン
  • 本人確認(パスポートや運転免許証のアップロード)を済ませる

オーストラリア滞在中に登録しておくのがベストです。現地の住所や電話番号が使えるうちに手続きを済ませておくと、スムーズに認証が完了します。もちろん、日本からの登録も可能です。

② Wiseでオーストラリアドル口座を開設する

  • アカウント内の「口座を追加」から「オーストラリアドル(AUD)」を選択
  • BSB(支店コード)とAccount Number(口座番号)が発行される

この情報は普通の銀行口座と同じように使えるので、タックスリターンやスーパーの受け取り先として入力すればOKです。

③ 申請時にWiseの口座を指定する

  • タックスリターン:myTaxまたは税理士への依頼時に、還付先としてWiseのBSBと口座番号を入力
  • スーパー:DASPのオンライン申請で、同じ口座情報を入力

口座名義(Account Holder Name)は、Wiseに登録したフルネームをそのまま使いましょう。一致していないと振込がエラーになる可能性があります。

④ 入金されたら、日本の銀行へ送金

  • AUD → JPY に両替(Wise内でレートを確認して実行)
  • 日本の銀行口座を登録して送金
  • 通常1営業日以内で着金(早ければ数時間以内)

為替レートは日によって差があるので、すぐに円にしなくてもいい人は、レートが良いタイミングを見計らって送金するのもおすすめです。

帰国後も「ちゃんと受け取る」ために準備を!

オーストラリアで働いた人は、帰国後にタックスリターンやスーパーが受け取れます。最後に、帰国前にやっておきたいことをまとめます。

  • myGovのアカウントを作り、ATOと連携しておく
  • オーストラリアの銀行口座を残すか、WiseのAUD口座を用意する
  • 銀行の登録電話番号を日本の番号に変える
  • スーパーファンドの名前と会員番号を控えておく

まだオーストラリアにいる人は、今のうちに準備しておくと安心です。帰国後からでも申請はできるので、すでに帰国した人も早めに手続きしておきましょう。

※この記事は公開情報にもとづく一般的な案内です。税制や手続きは変更されることがあるため、最新の情報はATO(オーストラリア国税庁)の公式サイトで確認し、個別の事情については登録税理士にご相談ください。

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