1. 学生ビザ申請料2,000豪ドルに引き上げ決定
① 連邦労働党は再選後の 2025 年 7 月 1 日から学生ビザ申請料を 1600→2,000 豪ドルにする公約。年間 7.6 億豪ドルの歳入見込みで、すべての Subclass 500 申請者が対象となる。家族同伴者の追加手数料も増額予定で、日本人留学生は渡航初期費用が約 4万円上乗せされる。
これには留学生急増による住宅逼迫・公共サービス負担への世論圧力が背景。財源で留学品質向上や査証審査強化を図り「質重視」の移民政策へ舵を切る狙いがある。
Australia’s Labor Party signals an increase in student visa fees
2. 最低賃金7月1日から3.5％増、時給A$24.95に
フェアワーク委員会は 2025 年 7 月 1 日付で全国最低賃金とアワード賃金を 3.5％引き上げ、時給 24.95 豪ドル（週 948 豪ドル）へ改定。約 260 万人が対象。
これは週38時間労働の場合約32ドルの増加、年間では約1,670ドルの増加に相当します。
インフレ率鈍化と実質賃金マイナス圏を是正するための調整。労組は 5％要求、経済界は 3％以下を主張していた。
ワーホリ・留学生の収入増につながる半面、中小飲食店には人件費圧力。
Millions of workers to get 3.5 per cent pay rise after Fair Work Commission annual ruling
3. デジタル入国カード、カンタス便で試験拡大
カンタスはブリスベン着国際便で紙の Incoming Passenger Card を廃止し、出発 72 h 前オンライン入力＋QR提示のデジタル方式を拡大試験。
2032 年ブリスベン五輪へ向けた入国手続 DX 計画の一環。NZ‐BNE 線限定試行で待機時間 30％短縮を確認。
日本人旅行者は入国がスムーズに。旅行会社は入力サポートが新たな付加価値に。他空港・他社にも拡大見込み。
Qantas trial of new Australia Digital Travel declaration kicks off
4. G:link 延伸、ブロードビーチ〜バーレイ試運転へ
ゴールドコーストのライトレール延長計画：全長 6.7 km・新駅 8 か所の G:link ステージ 3 が年末から試運転、2026 年半ば営業開始予定。
観光都市 GC の人口 100 万人突破と五輪輸送需要を見据えた公共交通拡充プロジェクト。
サーファーズ宿泊でもバーレーヘッズへ直通 20 分圏内。沿線不動産価値は上昇し、工事渋滞は開業まで継続。
Gold Coast Light Rail (Stage 3) Broadbeach South to Burleigh Heads, construct light rail
5. 国際学生は家賃高騰の主因に非ず—豪研究
南オーストラリア大学の研究で、家賃上昇の大半は建設遅延と投資不足が要因と判明、国際学生寄与は 6％以下。
学生ビザ規制強化を正当化する政府方針への反証として注目。事実ベースの議論を促進。
留学生排斥論が弱まる可能性。ビザ料引き上げ再考の材料となり、大学は受入枠維持を求めロビー活動を強化。
International students not to blame for rising rents, Australian study finds
6. オーストラリア人海外旅行、年間1,100万件で過去最多更新
2024 年 6 月までの 12 か月でオーストラリア人の海外渡航が 1,100 万件、前年比 32％増。日本行きは 126％増。
豪ドル高、円安が背景。日本の割安感が顕著に。
日本側プロモーション需要が拡大。直行便増便や価格競争が激化し、航空券・宿泊のピーク価格上昇を招く可能性。